【私にとって】究極のとんかつ らいおん食堂 ※現在は閉店しております
ようこそお越し下さいました。
この度は趣向を変えまして、私の思う究極の品をご紹介致したいと思います。
今までご紹介した品々には、明確に「極」が名付けられておりましたが、この度は私の独断でございます。
異論のある方々もきっといらっしゃると思いますが、ご容赦頂ければ幸いです。
また、今回は普段よりも長い記事で尚且つ写真も多くなっておりますので、その点もご容赦頂きたく存じます。
さて、ご紹介させていただきますのは「とんかつ」で、ございます。
広く知れ渡りましたるメニューで御座いますね。
世間様でも、各々の専門店、お店の方々が鎬を削っている料理にて御座います。
この度ご紹介させて頂きますのは、その中でも「らいおん食堂」様の「とんかつ」です。
諸元
ultimate-No | 00010 |
商品名 | とんかつ |
販売者 | らいおん食堂様 |
内容量 | 1枚 |
キャッチコピー | 無し |
価格 | 1100円 |
備考 | 私の思う「究極のとんかつ」です。 |
極みたる所以
らいおん食堂
地方の駅前にこちらの食堂はありました。
ある日ふと立ち寄って見ますと…そこは非常に魅力的なお店でございました。
その日以来、足繁く通い始める程に、お気に入りのお店となりましてございます。
1924年(大正13年) カフェー ライオン として創業しまして、当時でも半世紀以上
正しく年を重ねられたと言うに相応しい、三代目のご主人と奥様が暖簾を守って下さっておりました。
静かに佇むその瓦屋根の外観は、各所で何度も語られたでありましょうが「時が止まっている」と言う言葉が相応しく思えます。
今では余り見かけない、サンプルも
今ではまず見かけない電話番号の札も
そして店内も…
想像以上に「時が止まって」おりました。
写真が残っている分と致しましては、メニューはこちらになります。
ご店主はかつて有名割烹店で修行していた事もあり、以前は目の前の海で揚がったばかりの魚のお刺身や、割烹料理に近いメニューも御座いましたが、この時代は、メニューを絞り元来の洋食屋さんになっておりました。
お店の外観で、扉の向かって左手の窓に掲げてあります、白い提灯?看板?には、以前は「おでん」の文字がありましたよ。
もちろん、その時代でも「とんかつ」はありましたがね 呵呵呵
実は「究極の洋食店 らいおん食堂」と、ご紹介しようかとも思いましたが、割烹時代やカフェ時代も大事にしたいと思いまして、私がほぼ毎回注文していた「とんかつ」にてご紹介させて頂きましたよ。
とんかつ
さて、そんな老舗のお店「らいおん食堂」さんのとんかつです。
写真はご飯つきの「カツライス」1300円ですがね 呵呵
いい塩梅
当時の写真の画質と言うのを差し引きましても、普通のとんかつに見えます。
しかし、その本質は味付けに御座います。
肉へのこだわり、油へのこだわり、味付けへのこだわり等、うんちくを書いた掲示物も
御座いません。
しかし丁寧に下処理と味付けがなされましたる「とんかつ」は、完璧な味に仕上がっております。
まさしく「いい塩梅」との言葉が正しい味付けに御座いました。
ソース等、何も付けずに次々と食べ進んでしまいます。
とんかつに塩 、現在良く見かける味付けでございますが、塩すら不要とも思います。
何年前でしょうか…初めてとんかつを食べた時、「いつの間にか食べ物を食べ終えてしまう」を経験致しましたよ 呵呵!
そして食べ終えた直後にもう一皿とんかつを注文しました。
正しく あっ と、驚く旨さにございました。
私も食べる事が好きでして、現在(2018年)も都内、他県も含め様々なとんかつを食べておりますが、未だにこれほど衝撃を受けたとんかつは、個人的には御座いませんよ。
その他の料理(らいおんギャラリー)
その他のメニューに掲げられましたる品も、どれも決して目立ちはせず、今風ではないかもしれませんが、非常に手間の掛かった美味な品ばかりでした。
自分の備忘録も兼ね、この際全てのメニューをご紹介させて頂きますよ 呵呵呵!
オムライス
昔ながらのしっかりと焼き上げられた卵のタイプのオムライスにて御座います。
とんかつと共に大好きなメニューでした。
個人的にはオムライスは半熟よりもしっかり焼いた卵のタイプが好きですよ 呵呵!
チキンライス
チキンライスです。
オムライスの中身もこちらのチキンライスになります。
丁寧に、ケチャップで味付けされ均一に炒められたチキンライスはオムライスとはまた違った良さがあります。
かつ丼
かつ丼です。
使用しているカツは、とんかつで使用している物とはやや異なる気もしましたが実際どうだったか…、しかしこちらも美味でございました。
丼物の醍醐味 丼を持ち上げてかっ食らう 素晴らしい逸品です。
肉丼
肉丼です。
名前だけだと、どの様などんぶりが出てくるか、候補が多すぎて判りませんが…
こちらの肉丼は、和風に出汁でやや甘く炒められた肉と野菜が盛られた丼にてございます。
肉もそうですが、野菜の甘みと歯応えが、実に良い仕事をしております。
肉物なのにあっさりしていて、こちらもかっ食らうと美味にて御座いました。
親子丼
親子丼です。
卵の加減、野菜への火の通し具合、肉の柔らかさ、見事で御座いました。
メニューの玉子丼は、親子丼の鶏肉が入っていないメニューです。
玉子と野菜だけでも十二分においしく、やさしい味わいが美味でした。
過去の写真を見ると…
親子丼か玉子丼か判らない写真が多いのでこちらは兼用させて頂きますよ 呵呵!
カレーライス
カレーライスです。
食材がよく溶け込んだ、昔ながらのカレーです。
スパイスの利いた味わいは、定期的に食べたくなってしまいます。
一品メニュー
オムレツ
目玉焼き
生野菜
生野菜のキュウリは、蛇腹キュウリです。
実物をみると実に見事なできばえに惚れ惚れすら致しました。
惜しむべくはその出来栄えの判る写真が手元に一枚も残っていなかった事です…。
どれも、手間を惜しみなく投入された品々でございました。
2009年9月30日 閉店の日
ある時、お店にお邪魔致しました時
「保健所の更新を迷っています。」
と言うお話が出ました。
1924年に開店したお洒落なカフェーも、ご主人、奥様の年齢もあり、いよいよ閉店の時が近づいて来たようです。
地元では有名なお店だったこともあり、閉店一ヶ月前ともなりますと、ニュースに取り上げられたり、新聞に取り上げられたりと、お店もお忙しかったようです。
そして2009年9月30日
写真はその数日後です。
閉店を知りつつ、立ち寄ってみますと、あの食品ディスプレイの場所に、ご主人の達筆な文字で閉店を知らせる張り紙が出ておりました。
通ったお店が無くなるのは寂しいものですが、無理も言えませんですからね。
地元に愛され、また、感謝感謝で最後まで勤め上げられました様で、ご夫婦と積み重ねられた歴史に相応しい、良い締めだったと思います。
懐かしい写真
現在、日本で受けられるサービスの中でも、際立ったコストパフォーマンスを誇る(究極のコスパと言っても過言ではない?)、amazonプライムの、フォトストレージに入れて置きました写真から
「2007年この日」
と、らいおん食堂様の写真が告知されまして、この記事を思い立ちました。
10年ひと昔とは良く言ったもので、ほんの少し前の事の様で、それでも随分過去の様で…
懐旧を感じましたよ。
手の届きそうな、つい一週間前でも、それが10年前でも、まるで同様に過去へは戻れません。
そんな過去に、現実では失われてしまった姿を思い知ることが出来る。
そして、その時感じた香り、温度、味を呼び覚ますことが出来る。
写真とは斯くも素晴らしい技術で御座いますね。
季刊清水
戸田書店様が発行されてます、地域誌「季刊清水」です。
写真中、らいおん食堂さんのカウンター、破魔矢の近くに掛けられております31号です。
こちらにはらいおん食堂さんが広告を出しておりました。
簡潔で、らいおん食堂さんらしい表現で、物静かながら、多趣味多芸なご主人を思い出し、なんだか和みますよ。
こちらの紙面に広告を出されていた個人のお店は、はたして現在何件がご健在なのか、興味はありますね。
その他
この度ご紹介させて頂きましたるは、最高の、最上の、至高の、あるいは最強の…
最上を示し、賞賛にも使う言葉は数あれど、自らはその一切を使用せず、それでも尚、
私めに「究極」と言わしめる
「とんかつ」
に、御座いました。
きっと、今の世にはこのとんかつを超えるとんかつも多々御座いましょう。
皆様の中には、「食べたことがあるけど、他の○○屋のとんかつのほうが旨い」
と、感じる方もいらっしゃるかとも思います。
その様に感じた方々も、そのお店を大事になさると共に、
どうぞ、思い出には勝てないと言う事で、ご容赦頂ければ幸いで御座いますよ。
ご興味がありましたら、是非ご賞味下さいませ。
…と、普段なら締めますが、今回はご容赦下さいませ。